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営農型太陽光のこと

ソーラーシェアリングの可能性

 「里山発電」という書籍をご存知でしょうか?

 ダイヤモンド社から出版されている書籍で株式会社ルネサンスエコファームの中村鉄哉氏が執筆されています。

 この書籍は、ごく簡単に言いますと中村氏ご本人が営農型発電設備を導入されるまでの道のりや、困難、営農型発電設備のもたらす里山再生の可能性がリアルに描かれています。

 営農型太陽光発電の導入を考えている農家さんや設備の設置業者さん、同業の行政書士さんなどにお勧めしたいと思います。

 僕は前職の時代からこんな声をよく耳にしていました。「頑張って体にムチ打って田んぼをやっても、全然儲からん、やっとる事は緑を守るボランティアや」 私の実家にも田があり子供の時から農作業を手伝った事は何度もありますが本当に大変です。

 これだけ大変な思いをしながら「儲からん」「体がしんどいだけ」というのでは本当にたまらないと思います。

 先祖代々の農地を守ってきて、その農地がお荷物になるというのは何とも言えない事です、農地を守ってきた事を「頑張ってきてよかった」と思えるようになるべきだと思います。

 農業をやってもっと儲かれば後継者不足の解消にも資するだろうと思いますし、後継者がいるという事は都市部に流出し続ける若者が地元に残るという事だと思います。

 この営農型太陽光発電は中村氏のお言葉をお借りすると「地方創生の切り札」であると思います。

 この制度は適切な営農を継続する事が条件となっております。

 私ども行政書士は太陽光発電の設備の設置工事もできないですし、農業のお手伝いをする事もできません。

 お役に立てるとすれば、農地の一時転用の許可申請をお手伝いできるだけです。 ほんの少しのお手伝いしかできませんが、このような制度が東濃地域(多治見・土岐・瑞浪・恵那・中津川)でも広がっていく事を願っています。

 その一助になればと考えております。

 ※ 以上のような考えでサポートを行っておりますので、単に許可だけ得て「営農をする気がまったく無い」というような場合にはそもそも許可が取得できませんし、ご相談もお受けできません。

営農型太陽光発電の遮光率の問題

 この制度は営農を継続する事を条件として転用が許可されます、よって遮光率の問題がついて回ります。
 岐阜市において野田建設さんが施工された事例ですと、遮光率は60%程度下部の農地ではサカキを栽培するという計画で転用許可がでているようです。

 遮光率が何%あればOKとかNGという問題ではなく、下部の農地で作る作物がどの程度の日照を必要としているのか?という事が重要となります。

 ソーラーシェアリングの考案者である長島 彬氏が実証実験等に基づいて奨励されている遮光率は以下のようなものです。

 控えめな遮光率:空中のパネル面積÷架台設置面積で32%以下にという数字が示されております。

 以下にCHO技術研究所の長島氏のサイトをご紹介致します。

 CHO技術研究所

 また、営農型(ソーラーシェアリング)の為の一時転用申請時の遮光率の計算式に関しては、行政より以下のような計算式が示されております。

  

パネル面積÷設備下部の農地面積(設備直下の面積+設備により日影が生じる面積)=遮光率

 上記計算式については、高知県庁、農業振興部様のHP内のPDFデータから引用

書籍「里山発電」の一節

 今、日本の耕作放棄地は約40万ha存在するという。埼玉県とほぼ同じ広さだ。長期減反地は公表されていないが、その10倍近くはあると考えられる。
 耕そうにも耕し手がいない。あるいは満足に収益を上げられないか、耕さずに保証金をもらうほうが「儲かる」。だから放棄したり、減反地にされたりしているのだ。
 では、仮に耕作放棄地40万haすべてをソーラーシェアリングに変えることができたとしたら、マクロ的にどのような変化が起きるだろうか。
 年間原発10基分ほどの発電は、ゆうに確保できる計算になる。
 問題は、常に太陽が出ているわけではなく、夜間は当然発電できないため、蓄電システムとの組合せが必要になることだ。
 ただでさえ財政難なのに、そんな財源はない、と思われるかもしれない。では、戸別保障に使っていた5000億円を投じればいい。もちろん、今までその恩恵を受けてきた人にはとんでもない話だろう。
 しかし、読者諸氏はどう感じるだろうか。
 すべての納税者にアンケートを取ってみたら、どんな結果が出るだろうか。
 同じ額の税金を使うなら、新しい仕組みみ、世の中を変えるものに使ったほうが有効であり、マクロ的な幸福に近づくと考えるのが、自然な流れではないだろうか。 (里山発電より引用)

全国各地のソーラーシェアリング(営農型太陽光発電設備)設置例

 私の知る限りでは以下のような設置事例があるようです。

設置場所 作物等
愛媛県今治市 水稲(米)農地の約950㎡に設置し、ヒノヒカリ約7俵を収穫、太陽光設備設置前の同収穫量を確保
愛媛県八幡浜市 農地約1,000㎡に設置し、清見タンゴールを栽培
愛媛県八幡浜市 農地約1,000㎡に設置し、みかんを栽培
岐阜県 さといも、こまつな、サカキ等を栽培
新潟県 みょうがを栽培
千葉県 ショウガ・ふきを栽培
京都府 サツマイモ
千葉県 梅の木を栽培
茨木県 あしたば
高知県 しいたけ

営農型(ソーラーシェアリング)の農地転用の申請に必要な書類(福井県の事例)

 通常の農地転用の場合においても、多数の添付書類の提出が求められ、土地所有者さんが自ら転用許可申請をする事は大変であったり、建設業者さん、太陽光発電業者さんも非常に手間がかかる為、我々行政書士にご依頼をいただく事が多い「農地転用」ですが、営農型(ソーラーシェアリング)の農地の一時転用となると、通常以上に多くの書類の提出が求められる事になります。

 当事務所が代理申請させていただき許可を取得したケース(福井県)では以下のような書類の提出が求められました。(各県によって必要書類は若干異なる)

 

  • 農地法第4条(5条)許可申請書
  • 土地の登記事項証明書
  • 住民票・戸籍の附票等
  • 土地所有者の同意書(賃借人等が転用を行う場合)
  • 賃借権解約等に係る許可申請書写し又は通知書の写し(農地法18条の手続きが必要な場合)
  • 転用同意書(地役権が設定されている場合等)
  • 法人の登記事項証明書(申請人が法人の場合)
  • 法人の定款又は寄付行為(申請人が法人の場合)
  • 相続関係が確認できる書面(登記名義人の死亡後、相続登記が未了の場合、遺産分割協議書等が必要となる)
  • 位置図(最寄りの駅、インターチェンジ、役場からの位置が分かるもの)
  • 公図(字絵図)の写し(隣接土地の地目、現況、所有者、耕作者等を記入)
  • 周辺土地利用状況図
  • 申請地を含めた周辺の現況写真
  • 地積測量図(1筆の内の一部に設備を設置する場合)★営農型の一時転用の場合、許可の性質上転用面積は支柱のみとなる為、通常は1筆の中の一部となる、当事務所にて申請したケースでは正確な測量図は添付していない
  • 事業計画書(事業を行う理由、土地選定理由を詳細に記載。周辺農地への被害防除対策、隣接農地所有者及び耕作者への転用事業の説明状況も記載。営農型の場合は、農作物の長期生産計画・収支計画も併せて記載
  • 土地利用計画図(土地利用計画を詳細に記入し、位置・隣接境界・施設間の距離を明記)
  • 農地以外の一体利用地の一覧表
  • 設備の平面図・立面図(パワコン等の設置位置、電力会社の電線との接続位置、支柱の間隔、高さ、埋込深さなどを明示)
  • 排水計画図(放流先を明示)
  • 設備下部の農地での営農計画書(ア営農継続の実現性の確認イ収量の減少が2割以内であることの確認ウ品質の著しい低下が無いことの確認エ作業の効率的利用が可能かの確認オ設備の設置に伴い、計画的に生産性の高い作物に転換を行わざるを得ない場合は、転換前の作物と比較し、収益の減少及び品質の劣化が生じないことを確認)
  • 設備下部の農地における営農への影響見込み及びその根拠となる関連データ又は必要な所見を有する者の意見書
  • 転用に要する資力を証する書面(残高証明書など)
  • 転用に要する経費(太陽光パネル購入費、設置工事費等)に係る見積書の写し
  • 支柱を含む設備の撤去費用の負担について、当事者間で合意されている事を証明する書面(5条申請のみ)
  • 支柱を含む設備の撤去経費に係る見積書の写し
  • 支柱を含む設備の撤去に必要な資力を有することを証明する書面(残高証明書等)
  • 隣接農地所有者・耕作者の意見書(隣接地が農地であり、営農に影響が及ぶ可能性がある場合)
  • 土地改良区の意見書(申請地が土地改良区内にある場合
  • 水利権者の意見書(取水・排水についての水利権者の同意書)
  • 経済産業大臣による再生可能エネルギー発電設備認定に係る書類(大臣による認定書等)
  • 太陽光発電設備等の概要について記した書面(発電出力、年間予測発電量、支柱の仕様、支柱の固定方法、パネルの設置角度、設備の耐用年数、売電単価、年間発電見込額等)
  • 近隣住民への説明等が確認できる書面
  • 近隣農地所有者への説明等が確認できる書面
  • 自然保護、景観等との調整が確認できる書面
  • その他農業委員会が検討に必要な書面

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行政書士 西尾法務事務所 行政書士 西尾友宏
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